「ラプロス」猫の腎臓病治療薬を東レが開発、2017年4月共立製薬より発売


東レ株式会社はネコの慢性腎臓病の新薬「ラプロス」を開発、農水省から承認取得したと2017年1月23日発表、4月販売予定。




高齢猫は慢性腎臓病にかかりやすい

‘高齢の猫は腎臓病に罹りやすいので定期的に検査しましょう’というような注意書きのポスターは、動物病院に行くと目にします。10歳以上の猫における慢性腎臓病の割合は30~40%にのぼると報告されています。

猫は腎不全になると食欲不振、多飲多尿、体重減少、嘔吐、脱水などの症状が現れますが、徐々に進行していくことが多いので気づいたときは末期だったという話も聞いたことがあります。

猫の慢性腎臓病の原因が徐々に解明

猫の平均寿命は室内飼いで15歳前後で、腎不全が原因で死亡する率は22%、犬の7%に比べると3倍近くも高いという(日本アニマル倶楽部調べ)報告もあり、なぜなのかは分かっていませんでした。

昨年2016年10月12日、東京大学の宮崎徹教授がネコに腎不全が多発する原因を究明したと発表。しかし治療薬が開発されるまではまだ長い時間がかかりそうで、日経新聞によると、‘臨床試験は2年後に猫、その後にヒトでも進める考え’ということでした。

東レが猫の慢性腎臓病の新薬「ラプロス」開発、2017年4月発売

猫の腎臓病の治療薬が待ち望まれるなか、東レ株式会社は2017年1月23日、猫の慢性腎臓病の治療薬を開発、農林水産省から承認を取得したと発表しました。

治療薬は2017年4月、動物医療品大手の共立製薬より販売される予定。

詳細は東レ株式会社公式ホームページの情報、およびラプロス製品情報をご参照ください。

腎機能低下を抑制する猫用治療薬は東レが世界初!

東レのサイトによると、猫の慢性腎臓病は間質の線維化と炎症が主体であり、間質の線維化が腎機能低下と最もよく相関するということです。

腎臓の線維化は、炎症や虚血、低酸素状態、線維化によるさらなる虚血と低酸素状態…という風に悪循環を形成して進行。この腎線維化を抑えることができれば、腎機能の低下を抑制できると考え、東レは開発に着手しました。

そうして、人向けに販売する血管拡張作用のある薬の有効成分を応用して生れたのが「ラプロス」。

「ラプロス」には血管内皮細胞保護作用、血管拡張作用、炎症性サイトカイン産生抑制作用及び抗血小板作用があります。それらの薬理作用によって腎臓の虚血および低酸素状態を改善させると考えられており、腎機能の低下を抑制し臨床症状を改善させるというものです。

ラプロスは、あくまでも腎機能低下の抑制ということですから、悪くなった腎臓を正常に戻すというものではありません。しかしステージ2~3の慢性腎不全になっても進行を抑えることができれば、腎臓病の猫のQOL(生活の質)を高め、寿命を伸ばすことが期待できます。

猫の原因不明の病気は腎臓病以外にもありますので、今後も様々な疾病の原因究明が進み、治療の選択肢が増えてほしいと思います。。

以下、ラプロスの製品概要は東レサイトからの引用です。

【ラプロス® 製品概要】
成分及び分量:1錠中にベラプロストナトリウムを55μg含有する。
用法及び用量:1回あたり1錠、1日2回、朝晩の食後に経口投与する。
効能又は効果:猫:IRISステージ2~3の慢性腎臓病における腎機能低下の抑制及び臨床症状の改善
製造販売業者:東レ株式会社
発売元:共立製薬株式会社

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