ペットロス症候群克服のためにリアルな猫のぬいぐるみってどうなのでしょうか。購入して8ヵ月、果たしてその効果は?
覚悟しててもペットロスはやはり襲ってきました
愛猫あーちゃんは昨年8月、14歳で虹の橋に旅立ちました。
持病持ちのため約2年間毎日の投薬、約1年間は自宅で点滴をしていましたので、覚悟は嫌というほどしていたつもりです。
おととしの夏に急性膵炎を起こした際は体重が一気に減少し寝たきりになってしまい、もう死んでしまうんではないかと毎日毎日思っていました。その時はあーちゃんの頑張りで復活、その後約一年以上のんびりマイペースで暮らした後にこの世を去りました。
「いつ死んでもおかしくない」、日々覚悟しつつも毎日を笑顔で穏やかに過ごそうと思っていました。
そしてお別れの時はやってきました。あーちゃんの旅立ちについてはまだ書く気力がありません。もう少ししてお話できるときがあればとは思います。
そしてあれほど覚悟していたにもかかわらず、やはりペットロスは襲ってきました。
あーちゃんの気配が・・・
あーちゃんが旅立って以来、私を悩ませたのは無意識に感じる「あーちゃんの気配が家の中のどこにもない」ということでした。
もうこの世に身体は存在しないということは頭では充分理解しているのですが、潜在意識というものは厄介です。いくら自分に言い聞かせても無駄でした。
存在自体の喪失感は無意識のときに感じるかなり感覚的なものでした。
そのころ友人からお便りと共にあーちゃんへの御花料が届きました。何かお花をお供えしてあげてくださいとのことでしたが、私はどうしても欲しいものがありました。心のこもった大切な御花料を使ってそれを購入させてもらうことにしました。
あーちゃんによく似たリアルな猫のぬいぐるみ
ペットロスのためのぬいぐるみというと、オーダーして愛猫にそっくりな子を作ってもらうというのも人気のようです。けれど私の場合はそっくりそのまま愛猫生き写しのようなぬいぐるみは求めていませんでした。
色や大きさ、遠くから見たときの雰囲気、フワフワした毛並み、そこにいてくれる気配を感じさせてくれるぬいぐるみ。
探してみると毛色がとても良く似ていて、大きさもちょうど等身大ぐらいのぬいぐるみがありました。迷わずそのぬいぐるみに決めました。
友人に御花料を大切に使わせていただいたことを伝えると、とても喜んでくれてホッとしました。
ぬいぐるみが来てから心の変化が
私は大人になってからは一度もぬいぐるみを買ったことはありません。ラブリーでファンシーなぬいぐるみ趣味は全くなく、ぬいぐるみが欲しくなるなんて自分でも驚きでした。
我が家にやってきたぬいぐるみ猫。あーちゃんがよくいた場所に置いてみました。

丁寧につくられた日本製のぬいぐるみ。童心というメーカーさんのリアル猫シリーズ(トラグレー目あきL)です。

あーちゃんがいる!とドキッとしたあとに、ぬいぐるみだったと気づいてがっかり。でも視界に入るとほんわか暖かい気持ちに。

そこにいてくれるという気配。それを感じることができ時間が経つにつれ不思議と不安を感じることが少なくなりました。
無意識と意識をつなげてくれる存在
あーちゃんがいたころ、私はいつでもあーちゃんがどこにいるのかを無意識に探して存在を確認するのがクセでした。あーちゃんがいてくれるだけで安心、それですべてがよかったのです。
他界後は探してもどこにも気配がないということが大きなストレスとなり、喪失感が増すばかりでした。
それまでの自分ならぬいぐるみではペットロスは癒せないと思っていました。
しかしぬいぐるみ猫ちゃんが来て以来、無意識に感じる喪失感と、魂は傍にいるという意識、2つの間の溝が少しずつ、時間の流れと共に埋まってきたように感じます。
8ヵ月過ぎて
あれから8ヵ月経ち、次第に気配がないという潜在意識に悩まされることはなくなりました。身体はこの世から消えても、いつも一緒にいると思えるように少しずつなってきました。
ぬいぐるみ猫ちゃんとは毎日一緒に寝ています。抱っこしたりギュッとしたりしています。不思議とあーちゃんの代わりという感覚はありません。
「ぬいぐるみがペットロスに効果があったのか」という疑問ですが、私に関しては「ありました」という答えになります。
とはいえ、もし友人がペットロスになったからといってぬいぐるみを買ってプレゼントするということは多分しないと思います。ぬいぐるみが逆効果の人もいるかもしれませんし、感じ方はその人それぞれです。
私の場合は自分で必要として自分で選んだぬいぐるみだったから良かったのでしょうか。
まだまだ深い喪失感を克服できそうにありません。一緒に過ごした楽しい時間を思い出しては胸が苦しくなります。
けれどあーちゃんとの暮らしは本当に幸せな時間で、それが現実だっただけでも宝物。
あーちゃん、元気にしてるかな。私たちは大丈夫だから安心してね。
ありがとう。


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