2017年8月17日(木)日経新聞朝刊に、猫の腸内細菌についての記事が掲載。東大と日本獣医生命科学大、日清ペットフードの研究チームが発表した内容とは?
猫の善玉菌に関する研究発表
今朝2017年8月17日の日経新聞に大変興味深い記事が掲載されていました。
記事の見出しは「東大や日清ペットフード発表 猫の善玉菌、人・犬と違う 肉食性の強さ 影響か」というもの。
日経新聞の記事によると、人の善玉菌はビフィズス菌、犬は乳酸菌の仲間の乳酸桿菌が多いけれど、猫は乳酸菌の仲間でも腸球菌(エンテロコッカス属の細菌)が多いことが、東京大と日本獣医生命科学大、日清ペットフードの研究によって判明したということです。
猫も高齢化に伴い腸内細菌が変化する
人間は高齢化に伴い、善玉菌が減少し悪玉菌が増えるということは知られています。では一体、猫についてはどうなのでしょうか。
研究チームの発表によると、「猫も高齢になると腸球菌が減り、人と同じように悪玉菌を含むクロストリジウム属の細菌が増えることも分かった」という内容が書かれていました。
ここでのポイントはあまり聞きなれない腸球菌という名前。
どうやら腸球菌は、猫の腸の状態を制御するために重要な役割を果たす主な乳酸生成細菌の1つであるようです。猫が高齢になると腸球菌(エンテロコッカス属の細菌)が減少するなら、それを摂取し補うことによって腸内環境の改善につながるのでは、と単純に考えてしまいます。
今後猫特有のプロバイオティクスの開発が進んで、シニア猫の腸内細菌を改善するサプリメントが販売される日も近いかもしれません。
高齢猫向けのペットフード開発につながるかも
記事には、「研究成果は将来、高齢猫向けのペットフード開発につながる可能性がある」と書かれています。
今後腸内環境を改善してくれるような高齢猫向けのペットフードが開発されたら、便秘や下痢などに悩んでいる猫の飼い主さんにとっては大変喜ばしいことです。
PLOS ONEに研究詳細が掲載
研究発表についてもっと詳しく知りたい方は、米科学誌プロスワン(PLOS ONE)のサイトに今回の研究レポートが掲載されています。
レポートは英語ですが翻訳機能を使用することで日本語に変換されます。私は専門家ではないのですべてを理解することは難しかったですが、新聞記事には書かれていない詳しい内容を知ることができました。
この研究では、長期間にわたり同一群の動物の追跡調査は行われなかったので、次回はぜひ追跡調査をした研究発表をしてほしいと思います。
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